あらかじめ奪われたアフガンの子どもたちの祈りの絵画と物語
カブールの幽霊展 in the Cafes 2009


■2009年7月19日(日)--8月2日(日)

A.B.Cafe

東京都武蔵野市吉祥寺
カブールの幽霊展 in A.B.Cafe


■2009年11月9日(月)--28日(土)

DADA Cafe

東京都渋谷区千駄ヶ谷5-23-10


■2009年12月12日(土)--25日(金)
*12月17日(木)クリスマス・チャリティー・パーティー開催

Ben's Cafe

東京都新宿区高田馬場1-29-21




昨年はカフェ・ギャラリーのご賛同を得て、3軒のカフェにてカブールの幽霊展を実現できました。
カフェ・ギャラリーの展示では基本的にカフェに来店したお客様に向けてのものとなり、ギャラリーでの展覧会のように我々スタッフが常駐して来場者のみなさまに対応することができません。
しかし我々が直に開催する展覧会とは違って、カフェという何気ない日常の空間での展示は来た方や観る方に身構えさせるものがないだけに、ふと目にするアフガンの子どもたちの<幽霊>の絵は、アフガニスタン=戦争、タリバン、自爆テロ、対米等といった「政治色」「国家」「人種」の垣根を一瞬に越えさせる場所でもありました。それゆえに日常空間で遭遇した予期せぬ絵は、観た方に純粋に「一枚の絵」として受けとめられたのではないかと存じます。
自分からかけ離れた苛酷な情況というものを「想像しろ!」と言われても、実際にそれを想像するのは易しくありません。しかし日常の一コマから入ってくる絵はその背景にある苛酷なイメージを払拭させ、そこに生きる子どもたちの中に息づく<素の想像力>に素直に対面することを可能にし、そのことで却って彼らの苛酷な現実を身近なものとして響かせる効果、「あらかじめ奪われた子どもたちに思いを馳せる」イメージを引き出す効果を与え得ることを昨年のカフェ・ギャラリー展で改めて思わされました。


DADA Cafeさんでは日本の古民家を改築した古式ゆかしき佇まいの中で展示されました。展示に併せまして、11月22日にはDADA Cafeさん主催の定例映画会にて我々が製作したDVD<カブールの幽霊>(10分)も上映して頂きました。


一方、モダンな佇まいのBen's Cafeさんでは17日にチャリティー・パーティーが開催され、我々の活動を紹介するDVD(50分)を上映して頂き、その場に来場された方からの寄付も募ることができました。
ここに改めて、展示を可能にして下さったカフェの皆様とご退場者の皆様に感謝を申し上げます。


2005年から始まった<カブールの幽霊>展ですが、それぞれの空間によって展示方法を工夫して違えてきました。 展示する空間や雰囲気によって、<カブールの幽霊>の絵の佇まいも伝達のされ方も変わってきます。
必然的にアフガンの子どもたちが描いた幽霊の絵を受けとめる対象も反応も異なりました。
それぞれの空間によって様々に変化する彼らの絵を比較できる歓びもありました。
しかし勿論、彼らの絵と我々が発信する<カブールの幽霊展>のメッセージの根底は同じです。
それは、苛酷な現実に生きる子どもたちの想像力=「幽霊」というテーマにもかかわらず、その苛酷さよりも純粋に表現する喜びの方が勝った、素の想像力=アートに触れられる場面になり得る、ということです。
そういう意味では、2005年来の展覧会をはじめ、昨年も、そして今後も……、そのつど新たな顔を見せるアフガンの子どもたちの幽霊=それぞれの内なる幽霊の絵として、多くの国で多くの世代と人々に<カブールの幽霊展>は捉えられ、発展していくものではないかと信じております。

同じ理由として、昨夏のカフェを含め、カフェでの展示もそれぞれに赴きが異なりました。しかし、それぞれの空間で展示できたことは、さらに新たな経験をもたらしてくれました。結果はもちろんですが、より喜ばしいことは、その過程で出逢った多くの共感の言葉や新しい出逢いです。なかでも若者たちからのコンタクトは「この世界はまだまだ捨てたものではない」何かを我々に与えてくれました。若者の想像力と可能性は子どものそれと同様に我々が共有すべき夢と未来を実現させる原動力です。
そういう意味で、わたしたちLike Water Pressは、アート=素の想像力、すなわち子どもや若者に宿る(賜る)可能性を促す未来的・試験的集合体の場であり得ればとも思います。その中で、今ある我々が今ある各自の力をもって、世代や国境や偏見を越えて、時にぶつかり合いながら、時に笑い合いながら、ナニモノカである未来を構築させていくことが、唯一人間として成せることではないかと思う次第です。
アフガンの子どもたちの絵に触れられることで、御自身をはじめ、現在の世界の在り方をしばし考えて下さる時間を持って頂ければ幸いです。
アフガンの子どもたちの絵と物語に触発を受け、なにかを試したいという意志の下に集う人々と共に真摯に新しきものに辿り着けられれば幸いです。
その時が恵まれましたら、共に誤りつつ、共に勇気をもって、共に歩いて参りましょう!
そのために、わたしたちは<カブールの幽霊展>を続けて参ります。
いつか、その皆様にお目にかかれることを願いつつ……。

NPO法人Like Water Press
代表:陳 富子(Boo Ja JIN)


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